2011年6月30日木曜日

サイパン式お風呂の入り方

   とっても暑い日の事でした。午後5時頃に断水したのです。断水=ご飯が作れない(当然外食)これは私にとってラッキーな事ですが、困るのはトイレとシャワー。トイレにしてみれば、バケツに水を汲んで流せばOK。でもシャワーが困る。冬ではないサイパン、シャワーは三度のご飯と同じぐらい欠かせないものです。

   サイパンの水事情はその昔、公共水道が利用できる時間に貯水タンクに送水し、ある時間が来たら水道が来なくなるのでタンクの横にあるポンプを使って家の中に水を送る。とゆうシステム。島中みんながその方法で日々を過ごしていたのですが、最近は公共水道が24時間送水される地区ができ、昔ながらのシステムの地域と24時間供給される地域と別れていました。本当は24時間送水して高い・高い水道料金の請求をしたいところでしょうが、拒絶する住民もあり未だに一定したサービスはなされていません。我が家も大家さんが昔ながらのシステムを変えなかったので送水される時に貯水タンクに水を貯め、ある時間が来たらタンクからの水を使っています。

   ポンプが故障した時は当然タンクの水は「絵に描いた餅」になるのです。
この日、ポンプが故障して水が使えなくなり・・・汗をかいたカシラとコガシラは外でシャワーもどきをする事になりました。カシラの腰付近にある黄色いバケツの上に蛇口がありますね。そこはタンクと直結している蛇口なのでポンプを使わなくても唯一水が使える場所。
「砂漠のオアシス」と言っても過言ではありません。トイレ使用の場合はその蛇口から水を汲みトイレに流す。シャワーは当然、この場所で浴びる。とゆう事になります。ただし、水です。お湯なんてものは無縁ですが、それでも汗を流せるのは気持ちが良いものです。気温が暑くてもプールに入る心地良さの体感水温ではありません。日本の秋に滝に打たれるぐらいの体感水温じゃないか?と思います。

   カシラの体が向いている方には、海が見えてマニャガハ島があります。
コガシラも水着を着てここでシャワーもどきをしましたが、さすがにティーンエイジャーです。抵抗はありました。「えぇ~ここで!」「そうだよ。いいじゃん。海も見えてマニャガハも見える。日本の海沿いの温泉旅館みたいなもんじゃん。海を見ながらシャワーをするなんて贅沢な気持ちにならない?」「ならない・・・」そりゃそうだ・・・ビーチサンダル履いて、足元は土でもって水。1つ間違えれば露出狂とも思いかねない行為だよな・・・・
でも汗を流したい気持ちに勝てず、コガシラも断念してここでシャワー。カシラは喜んで楽しんでいたのはどうしてなのか?おじさんになって恥とゆう感覚を忘れたのか?それとも元々誰も知らない「露出狂癖」があったのか?やけに楽しんでいる。

   ただ午後5時だった事もあり、隣のお姉さんがそろそろ会社から帰って来る。お姉さんの部屋から丸見えなのです。私も水着を用意しているとお姉さんが帰って来てしまった。私はあいにく、海を見ながらシャワーもどきをする事ができませんでしたが、夜になりコガシラにバケツに水を汲んでもらい、家のシャワールームに運び、やかんで沸かしたお湯を入れて・・・快適にシャワーをさせてもらいました。  

   翌日、ポンプ修理に来てもらいました。でも原因が分かりません。すったもんだしているうちに修理をしてくれるおじさんは関係のないバルブをかまいだしました。「それじゃないんだよ・・・」と作業のゆったりペースに半ギレ状態。しかし原因はタンクから家に送水される管のバルブが原因。そうおじさんがかまっていたバルブでした。「開く」状態になっていなきゃいけなかったのに「閉じる」状態になっていたのです。誰も触っていないのに、どうして?近所の子供?いや・・ここには子供がいない。夜中に誰かが来ても、こんな悪戯はしないだろう?ってか、夜中に不審者?いろいろ想像しても誰がバルブを閉めたのか?全く分かりません。大家さんが仕事を終えて来てくれました。それを話すと大家さんの顔がだんだん固まってゆくのが分かります。隣のお姉さんの父である大家さん、お姉さんの家の中で水漏れがしているようで何気にバルブを閉めてしまった大家さん。犯人は大家さんでした。

   でも修理依頼をしてくれたのも大家さんだったし、ポンプが良くないかもしれないと言って新しいポンプを持って来て「修理の人が来たら、ポンプを変えてもらって・・」とわざわざ届けてくれた大家さん。でも犯人は大家さん・・・笑うにも笑えない一騒動でした。

2011年6月29日水曜日

軌跡の奇跡

   こんな写真を撮っていたら思い出した事がありました。中学の時、修学旅行で鎌倉へ行った日の事です。小田原駅で新幹線を下車しバスで湘南海岸を走っていた時の風景。犬の散歩をしている人・柔道の練習をしていた人達・サーフボードを抱えている大勢のサーファー。強烈な風景でした。「いつかこの場所に住みたい。いつかサーフィンをやる」そう思いました。

今日は個人的なお話ですがお付き合い下さい。

高校生になって受験を控えてみっちり学校でしごかれている時、できが悪い私は先生によく説教を受けてテストの点数で叱られて・・めげている毎日。勉強しなきゃいけない時に何の目標もなく、ただ1日をその日暮らしのように過ごして友達と遊んでウダウダしていました。駅前にあった旅行代理店。その前を友達とワイワイ騒ぎながら歩いていると目に入ったとっても綺麗な海の写真のパンフレット。航空会社が親会社の大手旅行企画会社のものでした。手にとって鞄にしまいました。家の机の引き出しに入れて、勉強の合間にそのパンフレットを見ていました。「受験を乗り越えて、就職して・・どんな将来があるのか分からないけど、いつか南太平洋の島のホテルに泊まって夕日を見ながらお酒を飲んで、自分を誉めてあげたいな・・・」と思ったのです。その映像は漠然としながらも頭に浮かんでいました。そのパンフレットの表紙には「グアム・サイパン・ロタ」と書かれてありました。表紙をめくるとホテル一覧があり、憧れたホテルは真っ青な空に赤い屋根が映えたホテルでした。受験を終えて短大に入り、またその日暮らしで新しい友人達と狂喜乱舞して遊ぶ日々。中学の頃に夢みたサーフィンを習い、海に叩きのめされながらも週末になると渥美半島の伊良湖に通いました。その頃は日々が楽しくて、受験時に見ていた旅行パンフレットの事も忘れて、南太平洋も忘れて・・・

そして卒業して、就職した先が旅行代理店。お客様の旅行を販売するには知識も情報も得なければいけない。新入社員の頃は世界中のガイドブックを読みました。

接客しているとお客様からよく言われました。「行かれた事ありますか?」と・・・仕事上、行った事がない国の情報を話すわけですから仕方がないけど、素直に「行った事ないです」とも言えず、嘘もつけず誤魔化すのです。でもいつの間にか実際に自分が行った事があるような感覚に陥っていつの間にか海外旅行がとっても近いものになって、逆に温泉なんかを好むようになって・・・高校時代に夢見た「南の島の赤い屋根のホテル」は完全に忘れるものとなりました。

今から10年程前の事でしょうか・・・家族でロタへ行きました。サイパンが街に思える程の島。レンタカーを借りて島を廻ってもそう時間はかからない。途中、日本で言う市営住宅のようなものがある場所に行きつきました。折り返す事もなく、ただその1本道をずっと車で走りました。長く伸びたシュロの葉・・・どんどん雑草も増えて「この先は何があるのか?」と不安になる頃でした。助手席に乗っていた私の窓の横に朽ち果てた木の看板がありました。看板に文字があります。もう剥げていていたけど、薄く残った文字を読むと「パウパウホテル」と書かれてあり、少し走るとその先にはロータリーになっていて廃墟となったホテルが建っていました。屋根が落ちてロビーの玄関であった場所にはゴミが散乱していました。

そのロータリーで車を止めて下りてみました。私の後ろにホテルがありました。客室の窓は木の雨戸が閉めてありました。でも「青い空に赤い屋根のホテル」高校生の時にパンフレットで見て「いつか行きたい」と思っていたホテルだったのです。記憶が蘇り・・感動しました。
「私、来たんだ・・高校の時、受験勉強中に挫けそうになると机の引き出しを開けて見ていたあのホテルに来たんだ・・・」「南の島に行きたい。と、思った場所に来たんだ・・・」
ずっと忘れていました。高校の時に描いた夢を・・・旅行会社に入って海外旅行が身近に感じてしまって夢に描いた南の島の価値さえも感じなくなっていた・・・


   今、こんな風景を見るとそんな事を思い出します。自分が描いた夢を形にしてきたんだな・・・と。いつでもそこに海があって、海を引き離す事ができなかった私の夢でした。

   サイパンに来て20年。最初は両親に「2年で日本に帰る」と言ってきたのに、2に0がついてしまいました。ハハハ・・・19年前にある人を助けたい気持ちが仇になって私は精神的にダウンしてしまった事もあるけど、今はそんな事もあって良かったと思っています。去年、全てが繋がり整理もできました。失った時間や夢は沢山ありました。

いつまでこの島に居られるのか?分からないけど、高校時代に見た南の島のパンフレットの表紙はサイパンのマイクロビーチからマニャガハ島を撮影した写真でした。これからその場所に立ってこんな夕日を見に行って来ようと思っています。原点に戻ったとゆうのはこうゆう事なのか?それとも悪戦苦闘しながらも1つ1つ夢を形にしてきたのか?今は分からなくてもいつかその答えがでるように、失った時間を埋めるようにこれからちゃんと自分を見失わないで生きてゆきたいな・・・と思っています。高校生の時、海の写真が綺麗で引かれるように旅行代理店のラックから取り出したパンフレット。その表紙はサイパン・・・将来が見えなかった自分だったけど、そのパンフを手にした時の自分はまだ覚えています。その時、自分がその場所に住むなんて事は想像もしていなかったけど、将来の場所を手にしていたと思うと、人生ってそうゆう奇跡もあるんだな・・・と思います。

追伸:中学の修学旅行で見た湘南海岸。「住みたい」と思った事は叶いませんでしたが、同じ神奈川県に住み、よく湘南海岸には遊びに行きました。観光バスが通る度に「学生さんかな?」とよくバスの窓を見たものです・・・もし、中学生だったら私と同じように「いつかここに住みたい」と思いながら風景を見ていた子がいたんだろうか?なんて、思ったりした事がありました。

台風が生まれる場所

   久しぶりのブログでいきなり台風のお話ですが・・・これは1週間程前の写真です。この海上に白い波がたっています。「うねり」です。ここはチャンネルになっていて「うねり」が入り込む場所なのです。実際にこの「うねり」を発生させた台風は既に日本の沖縄地方の一部を通過して韓国・中国方面に抜けましたね。

   2週間程前からサイパンはずっと天気が悪く、スコールの時期もあり「これはスコールなのか?」と思う事もしばしばありましたが、そうじゃなかった。その雨雲はフィリピン沖で台風となったのです。サイパンから雲の群れがフィリピン方面に流れてそこで集結して台風となったようです。そうなると必ずと言っていいほど、同じ場所の海上で「うねり」が入ります。写真みたいな感じで・・・現在は「うねり」はなく穏かなサイパンの海ですから、近々サイパンにいらっしゃるご予定の方は安心して下さい。

   でも世界中が「異常気象」を起こしている中でサイパンも例外ではなく、ヒートアイランド現象なんてものはありませんが3年前はコンクリートが割れる程の暑さだったし・・・
サイパンに来るお客様はいつもこの時期「台風」を心配されます。それは当然のお話ですが、実は私達はこの島に住みながら最近台風の経験が少なくなってきています。

   20年前、私がこの島に来た時「熱烈歓迎」をしてくれたのは台風でした。
それも「Super Big Typhoon」なんてもので、出勤したものの「自宅待機」の勧告が出され帰宅しました。「南国の台風ってどんなもんだろう?」とワクワクして、窓にへばりついていたのは私とゲコ(ヤモリ)ぐらいなもんだろうぐらいずっと外を見ていました。
玄関先に置いてある車は風でグラグラ揺れて、辺りは一面暴風雨で真っ白。停電はするし、やる事はないし・・・レインコートを着て外に出てみました。「おぉ~」風で体が流されて早歩き。万歩計をつけていたら凄い状態だったと思います。その瞬間、隣の家からメリメリと音がして見てみるとトタン屋根をはった部分が風で剥がされています。「え!」と思った瞬間にそのトタンが螺旋を描きながら勢いよくこっちに飛んできます。まだ若かったので反射神経が冴えていて瞬間に地面にしゃがみ込みました。頭上をトタンが通過して私の家の前の家の玄関の階段を直撃。コンクリートで作られた手すり部分が木端微塵。そのまま低姿勢で家に入りました。「椰子の実が飛んでくるから。看板が飛んでくるから、家から出るな」とほぼサイパンの挨拶になっている意味がよ~く分かりました。

   台風の体験談はいろいろあれど・・・自慢して語れるようなものはありません。
ズッコケ談ばかり・・・でも近年はそんな事がありません。3年程、台風が全く来ない事もありました。本来なら規則正しい気象はサイパンより南で台風が発生し気圧を下げながら海上を通過し勢いをつけてサイパンにやってくる。サイパンは逃げも隠れもできず、台風に「なすがまま、されるがまま」となるのです。でもここ数年、サイパンで「やたら雨が続くな・・」と思う日が続いていると、サイパンとフィリピンの間あたりで台風になり、気圧を落としながら北上して日本に上陸したり、韓国・中国に上陸したり・・・赤道が上がったんだろうか?と思えるような現象が起こっています。だから逆たまに規則正しく台風がサイパンの南で発生すると「あぁ~まだ地球は正常な部分もあるんだな」と安心する事があります。

   これから台風が発生するシーズンになりますが、最近台風とは無縁になったサイパン。
でも本当は今年1本ぐらい台風が来てくれるとありがたいな・・・と思っています。と、言うのもジャングルには草木が茂り放題で見落としが悪くなっているし、害虫の巣も増えているし、蜂をよく見るようになりました。やはりこんな南国の島、台風とゆうものは役立つ事もあるんです。2・3・4個も台風は来なくていいけど、害虫駆除に1つだけ台風が来てくれてもいいかな?と思い始めています。これも自然の摂理でしょう。それが崩れるとやはり崩れてくる自然環境もあるんですよね。